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  政治家を見抜く力1

 

 最近の報道を見ていて気になることがある。日本の経済を悪くしたのを、まるで小泉純一郎前総理大臣だと言わんばかりだからだ。確かに小泉前総理は在任期間1,980日と第二次世界大戦後の内閣総理大臣としては歴代第3位、佐藤栄作、吉田茂に次いで長期政権となった。だが、よく考えてほしい財政を悪化させたのは、小泉政権なのだろうか?私は断言したい。現在の経済状態を作り上げた人物は、橋本龍太郎前内閣総理大臣だ。この二人の足跡を見ていきたい。

 

橋本龍太郎前総理をフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』から総理大臣としての政策の引用してみたい。

 

 首相在任中は、「六大改革」を唱え、構造改革・行政改革を目指した。「たとえ、火だるまになっても行政改革を断行する」と決意を表明したことから、「火達磨の決意」「火達磨改革」とも呼ばれた。消費税率を5パーセントに上げるが(消費税の引き上げ幅と時期を決定したのは村山内閣)、これが消費を冷え込ませ、バブル景気崩壊後、緩やかに回復軌道に乗りつつあった日本経済の足を引っ張る結果になった。

中央省庁の再編に取り組み、大蔵省の名称変更や金融業務の切り離し、官邸機能の強化において、一定の成果を挙げた。

アメリカ合衆国から沖縄・普天間基地移転についての同意を取り付けたが、代替の基地の場所や借用期限の問題でうまく進んでいない。対ロシア外交では、大統領・エリツィンとの間に個人的な信頼関係を結び、エリツィンの訪日を実現、川奈合意の実現を見た。

エリツィンは橋本を「友人リュウ」と呼んだ。フランスのシラク大統領も橋本を「リュウ」と呼んで、趣味を認め合う仲だった。フランスやロシア、韓国では、橋本の「普段着外交」「ノーネクタイ外交」による信頼関係構築で、知名度が高いと言う。

バブル崩壊後、日本政府は景気対策の名目で何度も財政出動を行なって景気を一時的に嵩上げしてきた。その結果国家財政は悪化の一途を辿っていた。橋本は消費税や社会保険料の引き上げを行なって財政健全化を目指した。バブル崩壊後、日本は不況に陥り国庫財政が不健全となる。橋本内閣はその為に消費税を増税して税収を増そうと試みるも、元々バブル崩壊後の不景気時に更に消費税増税を実施した結果、景気後退に拍車を掛け失われた10年と呼ばれる平成の約10年の長きに渡る大不況を招く事になってしまった。その結果、銀行貸出債権の焦付きが増加し不良債権処理は進まず、増税により消費の低迷からデフレを招きデフレが国民の平均所得を引き下げてしまい、結果的に税収は増税前よりも減るといった超悪循環を生じさせる事となり、日本の政治政策史上に残る失策を招く事となった。橋本は党内圧力に圧され、成立させたばかりの財政構造改革法を凍結し、過去の政権と同じような景気対策を取り始めたが、これも裏目に出て市場の信頼を損なうことになった。さらに98年の参議院選挙の際に出した恒久減税について橋本の発言が二転三転したことに国民の橋本不信が高まり、参議院選挙大敗により辞任に追い込まれることとなる。

晩年の橋本は不正献金疑惑がクローズアップされ「会食で1億円の小切手を貰った記憶は無い」などと発言し、日歯連の不正献金疑惑が大きくメディアに取り上げられ、当時の自民党随一の政界影響力を誇り最大派閥であった橋本派閥の各種団体との癒着や政治と金の問題が浮き彫りになった。

 

これを読んだだけでも、橋本前総理の政治手腕の悪さが見えてきた。続いては小泉前総理の政策をフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』から、ここでは特に内政について引用したい。

 

自由競争と市場原理を重んじる竹中平蔵を起用し、アメリカ型新自由主義経済政策を導入。

労働基準法と労働者派遣法を改正して、派遣社員やフリーターなど非正規雇用者の割合を大幅に増やした(※平成11年改正と平成15年改正があり、条文上、派遣社員の正社員化についても記されているため一概には言えない点に注意)。

2003年の通常国会において、有事関連法案を与党自民党と民主党の賛成を得て可決させた。

介護保険では特別養護老人ホームなど施設入所者の居住費、食費を保険から外した。

法人税の改正を行い、企業へ1.4兆円の大減税を行った。

道路関係四公団の民営化法案成立。

構造改革特区により規制緩和を促進。

特殊法人(住宅金融公庫など)の独立行政法人化。

三位一体の改革として地方交付税の削減、地方への税源移譲。

生活保護費や児童扶養手当の削減。

最低資本金制度の特例措置(後に会社法の制定)により1円から企業を立ち上げることを可能にした。

国家戦略本部を設置。

ハンセン病訴訟において、国側の責任を認め患者・遺族側と和解。

特別会計合理化法案(仮称)を閣議決定した。

 

これだけを見ていると、小泉前総理は何をやったかさっぱりわからないが、自分の懐にお金を入れることは、していないようだ。では、橋本前総理の太字で示したところから、考えてみよう。

橋本内閣はその為に消費税を増税して税収を増そうと試みるも、元々バブル崩壊後の不景気時に更に消費税増税を実施した結果、景気後退に拍車を掛け失われた10年と呼ばれる平成の約10年の長きに渡る大不況を招く事になってしまった。

銀行貸出債権の焦付きが増加し不良債権処理は進まず、増税により消費の低迷からデフレを招きデフレが国民の平均所得を引き下げてしまい、結果的に税収は増税前よりも減るといった超悪循環を生じさせる事となり、日本の政治政策史上に残る失策を招く事となった。

1不景気になっている時に、増税すれば内需の低下につながることくらい、分かりそうなものだ。だが、橋本前総理だけを笑うことはできないだろう。谷垣禎一政務調査会長や与謝野馨元官房長官が、17%増税を語り始めている。いま、消費税増税を行えば、橋本前総理の二の舞になるだろう。景気は政治家が思うほど回復していないからだ。

2不良債権処理、これこそ小泉前総理と、竹中大臣が命を懸けて行った「大仕事のひとつだ」と言い切れることだろう。

何だ、橋本前総理は、国民を火達磨にしただけじゃないのか?と思ったら、引退直前には一億円不正疑惑で自分も火達磨になるとはなんとも情けない。だが、ここに書かれていない事件で、私が特に注目しているのは、上場企業の、倒産が連発した事だ、証券会社大手の山一證券が倒産したのも、橋本内閣時代の出来事だった。山一證券が倒産した、19971125日の日経平均は始値16607円、終値15867円で、740円の大幅安で取引を終了している。かなりの下落幅だった。


 

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