花粉症をフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』引用してみたい。そこに日本の政策が見えてきた。
花粉症の中でも最も患者数の多いのはスギ花粉症だが、それはスギ林の面積が多く、飛散する花粉量が莫大なためである。日本の国土の7割を占める森林2510万ヘクタールのうち4割が人工林で、2005年の統計[によれば、その人工林(ほとんどが針葉樹である)およそ1000万ヘクタールのうち45%をスギ、25%をヒノキが占めるまでになっている。そのスギ林の面積は国土の12%にも達している。
これほどまでに人工林が増えた原因は、終戦後より1970年代にかけて林野庁が推進した復旧造林と拡大造林である。戦争需要により荒れた山林を回復し、当時の高度経済成長による木材の需要増に対応して採られた政策(外地からの引き上げ者の雇用対策でもあったという)で、たとえば1930年代の年間の造林面積は10〜13万ヘクタールであったが、1960年代は年間36〜40万ヘクタールが造林されている。これらは治山の面のみならず人口増加による住宅建設などの需要に応え、日本の経済成長に大きく貢献したいっぽう、補助金目当てでそれらの奨励種ばかりが植えられた、その補助金制度が林業のあり方を腐敗させた(すなわち、林業というのは投資・投機または貯蓄的性格が強く、そもそも儲からないものなのだとされるが、そこに多数の人間が目先の利益目的でむらがった)と説く人もいる。
しかし、これによっても全ての需要に応えることはできず、規制緩和の波もあって海外からの木材輸入が1960年前後から段階的に解禁されるに至った。輸入業者から消費者までの経路が比較的単純である外材に対し、国産材の流通や加工は、古くからの慣習をひきずった零細な業者を複雑に経由するため、おのずと輸入材に太刀打ちできるものではなかった。工業製品としてみた場合、品質もよくなく、同規格のものを大量供給するようなこともむずかしかったといわれ、国産材が外材に負けたのは価格の面のみではないとの指摘もある。
そして1975年頃よりの木材需要の頭打ちや、円高等の影響による国産材の需要低下は、伐採(間伐)の必要経費も出ないほどの価格の暴落を引き起こし、それがさらに林業の不振をまねくという悪循環を招くこととなった。現在では木材需要の8割が外材に頼っているという。
しかしながら、ひとことで価格の暴落とはいうものの、そもそも日本における林業経営のコストは異常なほどに高い。たとえば1平方メートルあたりの育林費は西部アメリカ3ドル、イギリス5.5ドル、西部カナダ10ドルに対し、日本では73ドルであるとのデータもある。素材生産コストも高い。そのいっぽうで、林業経営で得られる所得収入は年間36万円とのデータもあり、事実上、産業としての日本の林業は崩壊しているのが実状である。
さてあなたは日本国の株式会社林業、この政策を高値で買えるか?それとも売りたたくか?もちろん私は、この政策を買うことができない。目先の欲では、人生経営も成り立たない。今でも、国民は国家戦略が見えてこない現状がある。つまり、国民は政治家より賢くなる必要がある。
日本政府は市場原理を知らないのだろうか?買い手より、売り手が多ければ価格は下がる。ここに競争の市場原理が働くのだ。現在でも官僚は市場原理を無視した政策をしている。この拡大造林計画だけでも、無駄な国費をどれだけ費やしたか分からない。それは、補助金目当てで、推奨種を植えていた人たちにも言えることだ。
林業崩壊とともに、地元で働く場所を失い、若者たちは都心へと労働を求めた結果、過疎化が進み、限界集落(65歳以上人口比50%以上・高齢化が進み、共同体の機能維持が限界に達している状態)が出来てしまったことだ。2007年12月2日のサンデープロジェクトでは、限界集落を特集していた。限界集落は日本全国で7878箇所、当時政府が田んぼに植林したら補助金を出すということで、田んぼに植林をしたため農業にまで影響がでたことだ。番組に出ていた老人は、国策ミスを話していたが、自分たちの判断ミスは、語らない。
もちろん国の政策はよくない。スギをうえて育つまでに40年間かかるのは分かるはずだ。だが、補助金に目がくらんで、スギ、ヒノキだけを植え、40年後の自分たちの姿を見てこなかった国民にも、罪があると考えられる。これを株式市場で評価したら、40年間収入の無い林業の株は、もちろん価値ゼロ。そこに安い輸入木材が入ってきた。ただでさえ、収入が無いところに安売り合戦。株式は買い手が付かず、連日のストップ安、株価10円ぐらいまで売り込まれる可能性がある。ここで株価を10円としたのは、親会社に国があるからだ。普通の会社ならもちろん倒産。未来が無いから吸収合併も難しいと考えられる。
このように国家の政策に対して、投資したくなる政策かどうか、国民は考えるべきときが来たようだ。
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