株式市場を動かす人は誰かを、考えたことがあるだろうか?たとえば100万円持っている人が千人いれば、市場には一億円入ることになる。別の考え方をしよう。一億円を持っている人が、一人いる。やはり市場には一億円入ることになる。
これを一株100万円の銘柄で計算してみよう。100万円の銘柄を千株買うためには一億円必要となる。これでお分かりになったであろう。一人の人でもたくさんの株を買うことができるわけだ。では、仕手株についてお話してみよう。仕手株とは何も根拠も無く、突発的な値動きをする、株式のことだ。投機的な資金で、株価を吊り上げ、高値を仕手筋以外の、投資家に持たせ、損害を与える手法を用いる。一度高値をつけた株は、長いときには10年20年以上、最高値を抜くことは無い。
私の解るところでは、(7961)兼松日産農林という銘柄がある。1995年4月くらいから、上昇し始めたことが、チャートの値動きからわかる。1995年4月以前は、500円前後の値動きをしていた株価が、1996年7月には最高値の、5210円をつけている。これは単純計算だが、約10倍の値段がついている。今2007年11月には、120円前後の、株価となっている。
兼松日産農林は、千株を一単位としているので、株価が500円なら50万円で、千株買えることになる。では株価が、5210円の時には、いくらになるか?521万円だ。こんな金額は、簡単に買えるものではない。が、このような株は、買えてしまうようだ。株価は上がれば強気になり、下げれば弱きになる、人間心理があるからだ。ここまで上げれば、相当な豚のつかませ方をしなければ、すべてを売り抜けるのは難しいであろう。
実際、私が株式の売買を始めたころに、仕手の大相場があった。(8029)ルックという銘柄だ。私は今でも、この銘柄の動きが忘れられない。いや、忘れることができない。
私が株式を始めた頃、上場企業でも倒産する時代というか、政治的政策が馬鹿だったのかは、わからないが会社は潰れていった。日経平均は、8千円前後のところを動いていた。こんな時に、やはり最高値2160円をつけたルックは、200円前後から、10倍まで高値をつけていったことになる。
このとき天井から値が下がり、1800円のところで、買った人を見たときには、目玉が飛び出すほど驚いた。そして、証券会社で、FAXをみせてくれた。そのマル秘FAXには、ルックは「1万円まで仕手筋が上げていく」というような、内容が書かれていた。1800円で買った人は、完全にだまされているのではないか?だが、この値動きを、日々見ている間に「株価は誰かが動かしている」と、いう考えに落ち着いた。
このような例は、仕手株としては、特殊であるが有名な話だと思う。 |