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  ライブドア事件の真実の犯罪

 

  東証マザーズに上場していた、ライブドアの社長であった、堀江隆文。彼は株式市場で何を行ったのか?
 東京地検特捜部が、指摘しているのは、2つの容疑である。偽計及び風説の流布と有価証券虚偽記載の2つである。
 事件の内容を、インターネット上のフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』から引用してみたいと思う。
 偽計及び風説の流布
 ライブドアがライブドアファイナンスを介して実質的支配下にあるVLMA2号投資事業組合名義で既に買収していたマネーライフ社の企業価値を、ライブドアファイナンス従業員が過大に評価して、ライブドアマーケティング社(現メディアイノベーション)との株式交換比率を決めた事。
株式交換比率を決定した者が、ライブドアファイナンス従業員であるにもかかわらず、株式交換比率1:1について第三者機関が算出した結果を踏まえ両社間で決定したと発表し、あたかも第三者機関が株式交換比率を算出したかのように虚偽の内容を公表した事。
 ライブドアマーケティング社(当時バリュークリックジャパン、現メディアイノベーション)の第3四半期決算発表時に、当期純損失であったにもかかわらず、架空売上を計上するなどして、前年同期比で増収増益を達成し前年中間期以来の完全黒字化を達成した旨の虚偽事実を公表した事
東京地検特捜部によると上記の行為が、ライブドアマーケティング(現メディアイノベーション)株式の売買の為、及び同社株価の維持・上昇を図る目的で行われていたと主張している。

有価証券虚偽記載
ライブドアは、2004年9月期の連結決算において、実態は3億1300万円の経常赤字であったにもかかわらず、業務の発注を装い架空の売上を計上すると共に、ライブドアが出資する投資事業組合がライブドア株式を売却する事で得た利益を投資利益として売上に計上、53億4700万円の利益を計上することによって50億3400万円の経常黒字であったとする、虚偽の有価証券報告書を関東財務局長に提出した疑いがあると指摘。
ここまでウィキペディアを引用しながら報道されている、ライブドア事件の実態である。

私は「ライブドアが出資する投資事業組合がライブドア株式を売却する事」に違和感がある。さて投資事業組合が売りに出した大量のライブドア株はどこから出てきたのだろうか?
投資事業組合が株式投資をする場合、海外の投資ファンドに、資金を入れることになる。資金を入れた人の、開示義務が無いので、投資組合までが開示されることになる。仮に開示されてとしても、直接資金を入れた人までなのだ。

 

 


 上記の図でいえば、投資家Aまでは、開示されたとしても、投資家Cに紛れ込めば、開示される心配は無い。投資家Aは名義人で、投資家A、B、Cの、お金を入れるのである。
 そこで大量のライブドア株だが、私の想像ではあるが、この図の投資家Cに紛れ込んで、堀江貴文自身が売却していた可能性は大きいと考えている。今でも彼はライブドアの大株主だからだ。彼は、株式分割を連発していた。今は最大5分割しかできないが、堀江貴文は最大100分割をしていた。ではなぜ自分の株を売るのに、分割をするのか?それはシステムに、問題があるからだ。
 1万円の株を、100分割すると、100円の株になる。これは10000/100=100という計算からくる。ところが1万円では買えなくても、100円なら買える人はたくさんいる。これが値上がる要因になる。
 もうひとつ、今は株式の「証券保管振替機構」を、略して「ほふり」といって、株券そのものが存在しないが、当時は株券の、再印刷が必要になる。市場に1億株出ていたとすれば、100億株にして、印刷をしなければ、ならないことになる。一株単位の株であれば、100億枚印刷しなければならない。その間は、一億株で100円の株を、売買することになる。
 より解りやすく書くと、一万円の株には、1000人しか参加できなかった。ところが100円になったら10万人参加できるようになった。株券の量は変わらないのに投資家だけが増える。このため一時的に値段が高騰するわけである。その高騰したところに、堀江貴文は自分の持ち株を、海外ファンド通して、売り抜けていたのである。と、ここまで読んでいって「あれ」と思った人はいないだろうか?これは明らかにインサイダー取引だ。
 ところが最初にも書いたが、この事件はインサイダー取引の事件ではない。
 

 


 まずは、安いところを、海外投資ファンドは買い集める。分割の日以後、買い上げて行く、この上の図では、約9倍まで跳ね上がっている。ここまであがるのは、普通の業績などではない。仕手株としての要素が大きいからだ。以前にも書いたが、(8029)ルックという株が、10倍になったことを書いたが、このような高騰の仕方は異常だ。
 このときに堀江貴文がどれほど儲けたかは、想像できないほどである。ルックを含め仕手株とは、会社とは関係なく、仕手集団たちが、自分たちの時間と、お金をかけて、勝負しているが、ライブドアの場合は、高値に吊り上げて、堀江貴文の持ち株を、売りぬいてしまえばよいのだから、事前に安値を拾う時間も要らない。手ごろな値段になったら、安値で同じ、株量を買えばよいのだ。このように自社株を利用した、会社ぐるみの大インサイダー事件であるはずだ。


 

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